忘れられた稜線

北アルプス 後立山南端部縦走コース。
そこは賑やかな白馬、五竜・鹿島槍と、裏銀座との中間に位置する山域。
百名山はない。訪れる登山者も少ない。地味でマイナーなイメージ。
そんなことから、そこは 「忘れられた稜線」 と呼ばれているという。
今回、紅葉で混みあっているだろう華やかな山域を避け、静かな山歩きをしたくてそこを選んでみた。
扇沢を起点に日帰り周回、標準コースタイム16時間、距離約25kmと少々ロング。
しかし、この位の設定の方が燃えてくるのだ。(私)
今回の記事もロングです。反省してまーす。
------------------------------------------------------------------------------------
スタートは早朝3時30分、扇沢Pから柏原新道を登る。

この道は、昨年の冬 に3回歩いている。
なのでヘッデン歩きでも不安がないぞ。
そして、その時見上げながら歩いた稜線アーチが素晴らしかったのを今もはっきりと覚えている。
(平成26年11月中旬撮影 左から冠雪の針ノ木岳~スバリ岳~アーチ~赤沢岳)

今日はそこを歩く!歩ける!
------------------------------------------------------------------------------------
=3
・・・で、約2時間45分で種池山荘着。

ガス&小雨で朝焼けも眺望もほとんどなかったけどやむなしじゃ。
昼前には天候回復の予報を信じ、さあ、6つの山頂を踏める稜線コースのスタート、
目指すは最終ボス 蓮華岳。 (れんげだけ/2,799m)
・・・で、まずは1つ目、最初のピーク 岩小屋沢岳 (2,630m)を目指して稜線を南へ。
あのガスガスの中のピークが山頂であろう。

=3
岩小屋沢岳を越え、2番目に目指すは右奥のピーク、鳴沢岳。(2,641m)
雨がやみ、富山側からガスがはれてくると 美しい稜線ラインが眼下にのびているのが見えてきた ♪
(途中の小屋は新越小屋)

=3
鳴沢岳を過ぎ、3座目はあのてっぺん 赤沢岳。 (2,678m)
ガスに浮かんでくる山稜が、ラピュタっぽくてグッとくる。

=3
と、途中で 自分の影に虹の後光がさす ブロッケン現象が現れた!

初めて見たブロッケン現象に興奮し、思わず ベルリンの赤い雨をやってしまった。(笑)
=3
8時30分、赤沢岳を登り切るとさて、次は4つ目のピーク スバリ岳。 (2,752m)
この区間がちと長そうだが、大好きな稜線歩き、
そして歩きたかった アーチ区間 に気持ちは高揚、足取りは軽いぞ~

そういえば、さっきすれ違った朝から5人目、オレンジ色ザックのオヤジさんから声をかけられた。
オヤジさん 「どこからか―、 種池からかー。」
m 「いえ、朝イチで扇沢から。」
オヤジ 「で、どこまでよ。」
m 「針ノ木からレンゲやって、そのまま扇沢に下山です。」
オヤジさん 「なに? 日帰り? よーやるわ。2日かけるコースだぞ。」
m 「はははー。(私はヘンタイですので) まあ、行けるだけ行きますよ。」
さあ、スバリ岳に向かおう。
私は最初、「ズバリ」 岳と見てしまった山だ。(苦笑)
=3
----------------------------------------------------------------------------------
(スバリ岳)

コルからの傾斜がきつかったが、休み休みジグザグ登って・・・
登頂 ♪

眼下の黒部湖を見ながら休憩、
どら焼き2個 (カスタード&マロン) でスタミナ補給完了。
=3
そして目指すは5座目の 針ノ木岳。(2,821m)
そこまでの稜線もゴツゴツとアップダウンが手強そう。
それが良い。だから良い。この手強さが私の中のナニカを掻き立てるのだ。

・・・で、

10時40分、針ノ木岳 登頂!
本日のナンバー2 踏破 ! (標高は№1ですが。)
しかしここで 標準×0.7で作って来た “ これで歩けよ自分コースタイム” の貯金が少なくなって来た。
朝3時半から登り始め だいぶ疲れが出てきたか。
ココ針ノ山頂でもう一回休憩だ。
記事も長くなってきたしね。(笑)
持ってきてたサーモスのホットコーヒーで温まりながら、
セブンで買ってきた大福を2個取り出し頬張る。 ウマし。
それにしても、歩いて来た稜線を振り返るこの時間って、たまらんなぁ~

========================================
さて、立ち上がり ザックを背負って歩き出す。
朝からずっとガスで見えなかった、ラスボス 蓮華岳 (左) の山容が見えてきている。
うへ、まだあんな遠いや。
=3 =3

鞍部にある針ノ木小屋を通過し、蓮華岳への登山道を登る。

脇には紅葉のティングルマ。
=3
登頂まで、2つ? 3つ? のニセピークに心折れそうになったけど・・・

12時30分 蓮華岳 ツモ ♪
本日の最終6座目、無事目的達成~ (^^)/ 長かった。

針ノ木小屋まで戻る途中、

朝歩いて来た稜線の二段奥に、雲空に聳える デカイ 山の塊が見えた。
立山連峰 剱岳。(2,999m)
いつか挑んでみたい 「試練と憧れ」 の山。メラメラ。
----------------------------------------------------------------------------------
針ノ木小屋まで戻ってきて、後は針ノ木雪渓沿いに下って扇沢Pへ。
=3
途中、登山道の脇になんとまだ花が残っていた。

ヨツバシオガマ と ウサギギク。
どちらも、7月の薬師岳 で花の先生に教えてもらった花だ。 インプットできていたぞ。(笑)
きっと雪渓沿いで涼しいので、今時期に咲いているんだね。
でももう少しで山は冬、雪が降ってきちゃうよ~
=3
ナナカマドのトンネルをくぐりながら・・・

・・・紅葉と一緒に扇沢まで降りていく。

これが意外に長かったケドネ。(^^;
=3
無事扇沢Pに戻ってきて腕時計を見たら 夕方4時を回っていた。
約13時間、ロングだったけど良いルートだった。
稜線をたっぷり歩けたし、天気もまぁまぁだったしね。

北アルプス 後立山南端部にある 「忘れられた稜線」。
そこは、稜線好きにはたまらない 「忘れられない稜線」 となったのでした。
最後にコレ↑を書きたかった。(笑)
- 完 -
長文最後までありがとうございました。m(__)m
スタートは早朝3時30分、扇沢Pから柏原新道を登る。

この道は、昨年の冬 に3回歩いている。
なのでヘッデン歩きでも不安がないぞ。
そして、その時見上げながら歩いた稜線アーチが素晴らしかったのを今もはっきりと覚えている。
(平成26年11月中旬撮影 左から冠雪の針ノ木岳~スバリ岳~アーチ~赤沢岳)

今日はそこを歩く!歩ける!
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=3
・・・で、約2時間45分で種池山荘着。

ガス&小雨で朝焼けも眺望もほとんどなかったけどやむなしじゃ。
昼前には天候回復の予報を信じ、さあ、6つの山頂を踏める稜線コースのスタート、
目指すは最終ボス 蓮華岳。 (れんげだけ/2,799m)
・・・で、まずは1つ目、最初のピーク 岩小屋沢岳 (2,630m)を目指して稜線を南へ。
あのガスガスの中のピークが山頂であろう。

=3
岩小屋沢岳を越え、2番目に目指すは右奥のピーク、鳴沢岳。(2,641m)
雨がやみ、富山側からガスがはれてくると 美しい稜線ラインが眼下にのびているのが見えてきた ♪
(途中の小屋は新越小屋)

=3
鳴沢岳を過ぎ、3座目はあのてっぺん 赤沢岳。 (2,678m)
ガスに浮かんでくる山稜が、ラピュタっぽくてグッとくる。

=3
と、途中で 自分の影に虹の後光がさす ブロッケン現象が現れた!

初めて見たブロッケン現象に興奮し、思わず ベルリンの赤い雨をやってしまった。(笑)
=3
8時30分、赤沢岳を登り切るとさて、次は4つ目のピーク スバリ岳。 (2,752m)
この区間がちと長そうだが、大好きな稜線歩き、
そして歩きたかった アーチ区間 に気持ちは高揚、足取りは軽いぞ~

そういえば、さっきすれ違った朝から5人目、オレンジ色ザックのオヤジさんから声をかけられた。
オヤジさん 「どこからか―、 種池からかー。」
m 「いえ、朝イチで扇沢から。」
オヤジ 「で、どこまでよ。」
m 「針ノ木からレンゲやって、そのまま扇沢に下山です。」
オヤジさん 「なに? 日帰り? よーやるわ。2日かけるコースだぞ。」
m 「はははー。
さあ、スバリ岳に向かおう。
私は最初、「ズバリ」 岳と見てしまった山だ。(苦笑)
=3
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(スバリ岳)

コルからの傾斜がきつかったが、休み休みジグザグ登って・・・
登頂 ♪

眼下の黒部湖を見ながら休憩、
どら焼き2個 (カスタード&マロン) でスタミナ補給完了。
=3
そして目指すは5座目の 針ノ木岳。(2,821m)
そこまでの稜線もゴツゴツとアップダウンが手強そう。
それが良い。だから良い。この手強さが私の中のナニカを掻き立てるのだ。

・・・で、

10時40分、針ノ木岳 登頂!
本日のナンバー2 踏破 ! (標高は№1ですが。)
しかしここで 標準×0.7で作って来た “ これで歩けよ自分コースタイム” の貯金が少なくなって来た。
朝3時半から登り始め だいぶ疲れが出てきたか。
ココ針ノ山頂でもう一回休憩だ。
記事も長くなってきたしね。(笑)
持ってきてたサーモスのホットコーヒーで温まりながら、
セブンで買ってきた大福を2個取り出し頬張る。 ウマし。
それにしても、歩いて来た稜線を振り返るこの時間って、たまらんなぁ~

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さて、立ち上がり ザックを背負って歩き出す。
朝からずっとガスで見えなかった、ラスボス 蓮華岳 (左) の山容が見えてきている。
うへ、まだあんな遠いや。
=3 =3

鞍部にある針ノ木小屋を通過し、蓮華岳への登山道を登る。

脇には紅葉のティングルマ。
=3
登頂まで、2つ? 3つ? のニセピークに心折れそうになったけど・・・

12時30分 蓮華岳 ツモ ♪
本日の最終6座目、無事目的達成~ (^^)/ 長かった。

針ノ木小屋まで戻る途中、

朝歩いて来た稜線の二段奥に、雲空に聳える デカイ 山の塊が見えた。
立山連峰 剱岳。(2,999m)
いつか挑んでみたい 「試練と憧れ」 の山。メラメラ。
----------------------------------------------------------------------------------
針ノ木小屋まで戻ってきて、後は針ノ木雪渓沿いに下って扇沢Pへ。
=3
途中、登山道の脇になんとまだ花が残っていた。


ヨツバシオガマ と ウサギギク。
どちらも、7月の薬師岳 で花の先生に教えてもらった花だ。 インプットできていたぞ。(笑)
きっと雪渓沿いで涼しいので、今時期に咲いているんだね。
でももう少しで山は冬、雪が降ってきちゃうよ~
=3
ナナカマドのトンネルをくぐりながら・・・

・・・紅葉と一緒に扇沢まで降りていく。

これが意外に長かったケドネ。(^^;
=3
無事扇沢Pに戻ってきて腕時計を見たら 夕方4時を回っていた。
約13時間、ロングだったけど良いルートだった。
稜線をたっぷり歩けたし、天気もまぁまぁだったしね。

そこは、稜線好きにはたまらない 「忘れられない稜線」 となったのでした。
最後にコレ↑を書きたかった。(笑)
- 完 -
長文最後までありがとうございました。m(__)m
この記事へのコメント
おはようございます。
本当にタフですね。
何か知らないですけど、
ブロッケン現象って凄いですね。
なんか知らないけど私も興奮しました。
本当にタフですね。
何か知らないですけど、
ブロッケン現象って凄いですね。
なんか知らないけど私も興奮しました。
お疲れやま~
そしてナイスブロッケン!(^o^)b
初めてでしたか
自分が神々しく見えるの、嬉しいよね
当日、お向かいの山域を歩いてましたが、結構な強風でした
黒部湖を挟んだらそうでもなかったのかな?
この先にも同様にマイナーな七倉~烏帽子の稜線がありますに
立山かそっちか迷ったんですが
船窪の小屋が素晴らしいらしいんで一度行ってみたいのでぃす
いつかご一緒にいかが?
でも小屋泊まりだとヘンタ・・・鉄人mukuriさんにはちと物足りんか(笑)
そしてナイスブロッケン!(^o^)b
初めてでしたか
自分が神々しく見えるの、嬉しいよね
当日、お向かいの山域を歩いてましたが、結構な強風でした
黒部湖を挟んだらそうでもなかったのかな?
この先にも同様にマイナーな七倉~烏帽子の稜線がありますに
立山かそっちか迷ったんですが
船窪の小屋が素晴らしいらしいんで一度行ってみたいのでぃす
いつかご一緒にいかが?
でも小屋泊まりだとヘンタ・・・鉄人mukuriさんにはちと物足りんか(笑)
またまた見事なヘ◯タイ振りですね!(笑)
どら焼き(カスタード&プリン)と
大福をそれぞれ2個の食べっぷりもお見事!
山で食べるスイーツは、格別ですね!
PS
「試練と憧れの山」は、登頂→下山したら、
どんな感じなんだろう?
どら焼き(カスタード&プリン)と
大福をそれぞれ2個の食べっぷりもお見事!
山で食べるスイーツは、格別ですね!
PS
「試練と憧れの山」は、登頂→下山したら、
どんな感じなんだろう?
◆Fさん、おはようございます。
初ブロッケン現象に、脳みそグラグラに興奮しました。
ブレーンクローをくらったようでした。(笑)
初ブロッケン現象に、脳みそグラグラに興奮しました。
ブレーンクローをくらったようでした。(笑)
◆hさん、おはようございます。
この日、こっち側も風強かったですよ。
フード被って帽子のアゴ紐しっかり、久しぶりの長ズボンで歩きました。
七倉~船窪~烏帽子、イイですね!
そんな混んでなさそうな時期にゆっくり小屋泊まりも良いなぁ ♪
頑張れば、そこから野口五郎岳ピストンもできそうですし。
しかし、七倉ダムからの6時間ロング急登樹林帯を、
むしろテント泊重装備背負って登り切りたくない訳でもないですが。(やっぱりヘンタ・・・笑)
この日、こっち側も風強かったですよ。
フード被って帽子のアゴ紐しっかり、久しぶりの長ズボンで歩きました。
七倉~船窪~烏帽子、イイですね!
そんな混んでなさそうな時期にゆっくり小屋泊まりも良いなぁ ♪
頑張れば、そこから野口五郎岳ピストンもできそうですし。
しかし、七倉ダムからの6時間ロング急登樹林帯を、
むしろテント泊重装備背負って登り切りたくない訳でもないですが。(やっぱりヘンタ・・・笑)
◆mjさん、おはようございます。
早朝から行動するとハラが減るのでね。
さらに、針ノ木小屋前で、レーズンバターロール(マーガリン入り)&ミルキーチョコレート(抹茶ラテ)も食べましたに。(笑)
P.S
どんな感じなんでしょうね~
どう感じるのか、一緒にその答えを見つけませんか!
早朝から行動するとハラが減るのでね。
さらに、針ノ木小屋前で、レーズンバターロール(マーガリン入り)&ミルキーチョコレート(抹茶ラテ)も食べましたに。(笑)
P.S
どんな感じなんでしょうね~
どう感じるのか、一緒にその答えを見つけませんか!