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雪の3,000m超峰に登頂したいと過去に4回アタックしたものの、
その全てで敗退し引き返した冬の南アルプス赤石岳。(標高3,121m)
2016年1月 赤石岳 敗退
2016年1月 赤石岳 敗退
2018年3月 赤石岳 敗退
2019年1月 赤石岳 敗退
こうなるともう意地。(笑)
年々だんだん気力と体力が落ちていくことを認めるけど認めたくなくて、
今回、登頂する!という意地を通すために 三泊四日でチャレンジしてきました。
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今回の不安は6つ。
沢は増水してなく渡っていけるか。
樹林帯の雪は深くないか。
二日目に降るだろう雪は大丈夫か。
雪稜を登り切る体力はあるか。
アルプス稜線上の天気は?風は?
何より意地を通す気力がもつのか。
・・であった。
【1日目】
心配だった水量は、深くても太ももまででクリア!
そのまま広河原の無人小屋までたどり着き就寝。
【2日目】
樹林帯の積雪はあるものの、雪は表面が固まっていて概ね歩きやすく。
それよりますますの倒木に難儀。
予報通り降ってきた雪にややくじけるも、意地を通すために前進!
この日は予定していた船窪下(2,490m)まで登れてテントを張って熱燗。
遂にこの場所にまでとりついたぞ!
そして爆睡。
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【3日目】
さて、3日目にしてここまで来た。
さあ、今日は赤石岳アタック!
森林限界を越え夜明け前から雪稜を登っていく。
体力は十分いけるぞ、前回撤退したポイントも通過!
ダマシ平から稜線まで一気に登り切り一休み。
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さあ稜線歩き。さあ赤石岳。
昨日の雪が嘘のように好天なのが嬉しい。
風も強いが進める。
雲海の向こうの富士山が勇気をくれた。
ふひぃ~=3
冬の3,000mの稜線は、コワさと美しさを併せ持つ。
アイスな急斜面でもアイゼンはしっかり入ってくれるので、
気持ちと足を前に出し進んでいく。
意地を通すために一切の迷いは無い。
前進!
最後のカリカリ雪斜面を登り切ると・・・
8時03分、やった!厳冬期 赤石岳 3,121m峰 登頂!
遂に、遂にである~
ここまで長かった。
でもなんとか意地を通しきったぞ(笑)
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今、此処に立つ。
山に居る。雲の上。
青と白、風の中。
歩いてきた稜線を北に振り返る。
とてつもない達成感と満足感がドバドバ脳内を流れている。
頂上から、南の聖岳(標高3,013 m)方面。
此処が私の目指していた場所か。
・・嗚呼、赤石岳
アルプスの風が 火照った身体を心地よくクールダウンしてくれているのを感じながら、
そのまま約20分、ただただ余韻に浸っていたのでした。
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・・さて、登ってきた雪稜を降りていかねば。
途中で休憩し、さっきまでいた赤石岳を眺めていたら・・・
ライチョウ ♪♪
明日は私の誕生日。
年々気力と体力が落ちていくことを認めるけど認めたくない誕生日。
赤石岳にライチョウ、嬉しいプレゼントをありがとう!
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・・・と、気分良く降りてきた急斜面で、ここはシリセードで降りちゃえと滑ったら、
凍っててつるつるで一気に加速。(汗)
そのままダケカンバに激突し脇腹を痛打して停止。
うぅ。。(>_<)
痛打の後、一歩一歩の痛みに悶絶しながら 踏み抜き転げても両足を出し続け、
途中のテントを回収し広河原小屋でもう一泊してなんとか下山。
もうね、登頂より意地で下山。(苦笑)
ズットイタカッタ(*_*;
=3
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天候にも恵まれた2月の南アルプス。
実に素晴らしかった、冬の赤石岳。
なんとも美しかった、雪の赤石岳。
宿願の登頂、意地の登頂。そして下山。
下山してから駆け込んだ整形外科で診てもらったら、
あばら骨が2本折れてたことが分かったけど、気持ちは折れず最後までやったりました!
-完-