北アルプス 常念岳 東尾根3

mukuri

2017年02月27日 20:03




冬の山は雪と風。
厳しいからこそ、その白と青が美しい。


   厳冬期の北アルプス、常念山脈主稜線まで登ってきたら 槍ヶ岳が見えて立ち止まった。
3回目のアタックでついにここまで辿り着いたぞ。

一息入れたらさあ、念願の常念岳登頂に向けて歩き出せ!

長文失礼(^^ゞ
---------------------------------------------------------------------


歩き出しは、前回前々回 と同じ三郷のゲートから朝6時半。

前回手を焼いた途中の激笹薮ゾーンは雪に埋まっていて、
ノートレースではあったけど歩きやすくて助かった。

尾根を登って登って午後1時過ぎ、樹林帯を突破し標高2,250m、森林限界に抜け出た。




前方、威圧的にそびえる前常念岳。

今日はここまで来ておきたかった。
明日のアタックに向け なるべく標高を稼いでおきたかったのでね。
さて幕営準備。


ザックを下ろし、ゆっくりスコップで整地。
谷側に風よけブロックを積む。

天気が良くてアンダーウェア1枚。
荷物の整理がすむとテントの外に座って焼酎、ゆっくり山を過ごした。







陽が落ちると気温もぐっと下がり、
腹もへってきたので一人鍋に餅を投入してまんぷく。





夜6時過ぎ、シュラフにもぐり込んで就寝~



-------------------------------------------------------------------


朝3時半起床。 テント内は-10℃になっていた。


冬山のテント泊はこの時間が辛いなぁ。
寒くて動くのがおっくうで。(^^;
いつも食べて着替えて出発できるまで1時間半はかかってしまう。

お湯を沸かし温かいマルタイを流し込んで、冷えた靴を履いていざ!






独り、雪稜を一歩一歩登ってゆく。
振り返ると夜明け前の安曇野の街。

前回 難儀したオオシラビソの灌木帯は、雪に埋まっててくれて歩きやすかった。






前常念岳への斜面は急勾配できつい。
すでに3回目、分かっていてもきつい。

たまに踏み抜くもピッケルは入り、
概ね表面が硬いモナカ雪で登りやすくて助かった。





それでも今回は、ライチョウを探しながら登れる気持ちの余裕があったけど、
遭遇できなくて残念。(^^;



=3



朝8時、前常念岳まで登ってきた。
さあここからダ!





ん? 新しいトレースがある!二人分?
人が来てるの?


トレースの主は冒頭画像のお二人。
昨日三股から入り樹林帯で一泊し登ってきたのだという。

ここからは未知なるゾーンで不安だったので、
トレースがありがたく、そしてなにより心強かった。

ありがとうございました。(^^)



-------------------------------------------------------------------



正面奥、目的の常念岳(2,857m)目指して稜線を行く。





時折雪煙があがるものの、風は強くなくてホッとする。


=3


朝8時40分、常念小屋からの主稜線に合流し、





最後の斜面をまっすぐ登り詰めると・・・ついに!






クリックでワイド拡大します。


冬の常念岳登頂 !!

ついにやった!ついに来た!

遠かった~というより 長かった~
念願、執念、常念岳!







--------------------------------------------------------------------


2月の北アルプス。 この晴天。
この 念願・執念・常念岳(笑)の山頂から、たっぷり眺望を楽しもう。






南は蝶ヶ岳への稜線がナイス!






西南は、手前に前穂~奥穂高岳。乗鞍岳から奥に木曽御嶽山。






北は白い。(笑)
真ん中大天井岳の右奥に燕岳、左奥はうーん、分からん。



西は北アルプスの大屏風が素晴らしい。
穂高連峰~大キレット~槍ヶ岳をバックに記念撮影 ♪




タイマーのタイミングが合わなかったけどまあいいや。




そして 最後に冬の槍ヶ岳をアップで。




険しさと美しさが実に素晴らしい。

これが見たかった。
晴れてくれて良かった!


--------------------------------------------------------------------







11時、無事テントまで戻ってきた。

腰を下ろしヘルメットを脱ぎ、肩掛けリーシュを首から抜き ピッケル下ろす。
ピッケルを刺した雪面は柔らかかった。





アイゼンを外し装備を解くと 今までの緊張も一緒に解かれ、
安堵感と達成感に包まれた。


やってこれた 常念岳。

陽射しが、そして穏やかな風が実に気持ち良かった。






さて、もう少し休んだら撤収し、
東尾根を下って帰ろう。


早く温泉上がりのコーラが飲みたいな。


------------------------------------------------------------------


・・ということで常念岳。

今後 安曇野を通るたび、このピラミダルな山を見るたび思うだろう。
これでもう寒い冬にアタックしなくてもいいのだと。(笑)






今回、2日間とも天候は安定し 雪質にも助けられ、トレースにも勇気づけられた。
厳しかったけど恵まれた山行だったなあ。



    冬の山は雪と風。
厳しかったからこそ、その白と青が美しかった。



-完-



関連記事