この冬の目標の一つとしていた 八ヶ岳連峰 阿弥陀岳 (あみだだけ / 2,805 m) の登頂。
八ヶ岳では赤岳、横岳に次いで3番目に高い山である。
雪山を始めた頃
無謀 にも挑もうとしたこの山、先に進むのが怖くなりこの地点で敗退。
今回、2年の時を経て再びアタックしてきたのでした!
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いつもの美濃戸口を朝5時45分頃歩き出し、
南沢経由2時間半でテント村となっていた行者小屋へ到着。
目指す阿弥陀岳が朝陽に眩しい。
ココをベースとしてあそこを目指そう。
そして再びココに戻って来よう。
ま、特にココに食料があるわけでも、自分のテントがあるわけでも、仲間がいるわけでもないんだけどね。
アイゼン、ピッケル、ハードシェル、やる気、ゴーグル、バラクラバのフル装備にチェンジし、
ヘルメットのアゴ紐を締めて歩き出す。
いざ阿弥陀岳!
ザクッ、ザクッ、ザクッ。
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文三郎尾根を登っていくと、阿弥陀岳の山容が見えてきた。
尖った中岳を前衛として従え 聳えている。
山頂に立つには、まずあの中岳を左から越えていかねば。
トラバース道は無し。
あの稜線、風が強くないといいのだが。
振り返って、手前から 横岳・硫黄岳・天狗岳・蓼科山。
だいぶ高度感が出てきた。
そして文三郎尾根を登りきって、赤岳・阿弥陀岳分岐に出た。
風は強いが立っていられる。
さぁ、いよいよここからだ!
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前回の敗退地点から雪が飛んでいるコルを過ぎ、中岳のピークへと稜線を進む。
登りきって一息入れると、次のコルまで痩せ尾根を進む。
正面阿弥陀岳の雪壁には、急斜面を登っていくパーティーが。 うひょ。
ちょっと立ち止まってしまった。
あそこを登っていくのね。 ひえ~
阿弥陀岳直下に取りついて、
さあ。
一歩一歩、ステップに足を確実に置き、シュピッツェを深く差しホールドとし、
しっかり雪を踏みながら登っていく。
斜面に張り付く蟻んこのイメージで。
(登ってきた斜面を見下ろす)
もう少しで山頂だろう場所から振り返って、越えてきた中岳と、歩いて来た尾根と赤岳と。
こっちから見る赤岳はまたイイな。
左には、先月登った
権現岳 を見下ろし、奥には南アルプスが目の高さに。
登ってきた。
そして 阿弥・・(雪で埋まっている) 登頂 !
ついに目標だった厳冬期の阿弥陀岳登頂なり~
てか、夏にココに登頂したこともなかったんだけどもね。
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山頂は先行パーティーで混みあっていたので、
写真を撮ってそそくさと下山。
帰路は、ショートカットの中岳沢コースもトレースがあったけど、
この時期の沢筋はイヤな感じがしたので、忠実に中岳越えて文三郎から降りて来た。
下山途中の登山道からの 中岳&阿弥陀岳。
あの山頂、朝は目指していた所。
今は登った所、自分がさっきまで居た所 ♪
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2年前の冬、あえなく敗退した阿弥陀岳。
もしあの日、風が弱く阿弥陀岳に取りつけていたらどうなっていたのだろう。
一本しかないあの急斜面の雪壁を怖々登っていたら、きっと渋滞の原因となっていたであろう。
いや、焦りと恐怖の中、手は足は前に出たのだろうか。
もし登れていたとしても降りてこられたのだろうか。
滑落せずに降りてこられたのだろうか。
行かなくて、行けなくて良かった。
そんなことを思いながら、ベースに戻って阿弥陀岳を見上げていた。
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帰り道、牧場横に車を停めて阿弥陀岳。(真ん中)
あそこに登ってきたんだなぁ。
自分の中でじわじわ達成感がこみ上げてきた。
モ~満足!
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さて、八ヶ岳連峰で最後に残ったターゲットは・・・
No.2 横岳。(標高 2,829m)
今日のように天気の良さそうな日にチャレンジしてみたいな。
あの白銀の岩稜。
しかし、あの横に長い岩の稜線をどう歩くのか。山頂はどうなっているのか。
自分の足と目で確かめに行ってやれ!