北アルプス 常念岳東尾根2 敗退

mukuri

2016年12月28日 12:41



今年の2月、日帰りアタックで敗退 した北アルプス常念岳。

今回は、テント担いで1泊2日で登頂を目指してきました。

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【1日目】


常念岳を目指すには、今回も東尾根が積雪期のルート。



東尾根に取りつくには安曇野市堀金 ほりで~ゆ先のゲートから。
朝6時半出発。



雪の少ない作業道?は途中まで順調だったけど・・・




道が途切れてからは笹薮の猛攻。 (T_T)
雪に埋まってくれていればスノーシューでまだ歩きやすいのだけれども。

急斜面の激笹薮を両手で掻き分けながら突き進んでいくが 思ったより体力消耗、
予定していた幕営適地までたどり着けず、標高1.955m先でテント設営。





小雪の中テントを設営し終わり中で休んでいたら、
外から女性達の声がしてきたので、テントから顔を出して声をかけた。

「こんにちは。常念岳まで行って来れました?」

「ムリムリ~、途中の斜面は腰まで埋まって 前常念岳までも行けませんでしたよ」
「雪が柔らかくて踏み抜いて大変で。あはは。」
「明日行くなら天気良さそうだし頑張ってくださいね!」

「ありがとうございます!」


賑やかな女性3人組はそういって笑って下って行ったけど、
きっとハードに戦ってきたんだなあと思った。

お疲れ様でした。




(毎度の フリーズドライ一人鍋


ZZZ・・


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【2日目】


朝5時半出発。さぁ常念岳。



ヘッデンで歩き出したけど、樹林帯を抜けて振り返ると日が昇って明るくなってきた。



正面に前常念岳。常念岳本峰は奥にまだ見えない。




この低木帯は、昨日の三人女子のトレースを使わせていただく。
おかげでルートに困らず踏み抜きも少なく歩けた。

それにしても、この枝に隠れた迷路みたいな深雪の中 よく道を切り拓いたよなぁ。
手こずりながらも賑やかに進んだのだろう。

感謝!




やっとこ森林限界を過ぎると最初の岩急斜面が現れる。こんな斜面がこの後3枚。
ここからが勝負どころ。



まだ三人女子トレースが続いてくれていて勇気が出る。
ありがたい。





一段登り切って休憩。



二段目途中は雪が深く隙間に踏み抜くと腰まで、
体勢をとり戻して岩に掴まり、アイゼンをかけて体を押し上げる。

・・・を何度も繰り返しながら登っていく。

前回敗退した常念岳、今回は登頂したい!





時間はすでに8時半、私もだんだん疲れ、
登っている時間より休んでいる時間の方が長くなってきた。

三人女子トレースもこの辺で無くなっていた。


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「大丈夫です、そのうち疲れを感じなくなります。」

そんな声が聞こえたような気がして(笑)、再びスイッチを入れなおし、
最後の斜面を登り切って前常念岳まで登り抜けると・・・





やっぱり ここからの冬の穂高連峰は神々しく 実に美しかった。





前常念岳から振り返って、登ってきた岩稜斜面。
この高度感と達成感がたまらなく気持ち良い。


おっと、達成感に浸っている場合ではない、目的はこの常念岳登頂。






・・・と思ったけど、時間はすでに10時が過ぎてしまっていた。

戻ってテント撤収、日没までに車に戻るためには10時がリミットと決めていた。

稜線の風も強くてなんだかコワいし、戻る体力も残しておかなきゃだし・・・
ということで撤退。

またしても敗退、山頂に届かず。(*_*)







夕方17時、無事車近くまで戻ってきて振り返ると常念岳が見えた。
このピラミダルな山は、私にはまだ登れない山なのか。


自信喪失?していたら山友からメールが来た。
「私はノンビリするために山に行くわけですが(笑)」

私は、特に雪山は「自分との戦い」「限界への挑戦」「心身の鍛錬」・・・
のために登っていたように思う。
そうだよなあ、美しい雪山、もっとノンビリゆっくり楽しむのもイイよなあ。

歩きだしながら、テントで出会った あの女子三人組の笑顔が浮かんできた。




・・・でもまたいつかきっと、歯を食いしばってこの山の頂を目指すんだろうな。(笑)



-完-





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