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出発は朝2時20分、安曇野市堀金 ほりでーゆ先のゲート。
一昨年の夏、
常念岳に登った 時はここは車で通過できたが冬季は閉鎖中。
ココから林道を約1時間歩いて、
鉄ハシゴの所 から尾根に取りつく。
スノーシューを履き、そのまま尾根に沿って歩くと鉄塔の所から徐々に傾斜がきつくなる。
途中までは山スキーのトレースがあったけど、標高1,400m辺りで途切れた。
トレースが途切れたのが残念でもあったが嬉しくもあった。
さあラッセル行きます!
=3
暗闇の中の一人旅、ヘッデンの灯りを頼りに黙々と。
ほとんど直登で登ってきた東尾根。
後続の方、もしこのトレースを使うとしたらごめんね~ (^^;;
朝7時、昇った朝陽に腰を下ろす。
できれば、森林限界を抜けた前常念岳の眺望の良い所で朝焼けを!
と思いながら登ってきたが まだまだ樹林は続いている。
間に合わなかったのが悔しい~
ここまでのラッセル三昧で腹がへったので、ミニドーナツを一掴み食べる。
さらにミニドラ焼き口に入るだけ入れて温かいコーヒーでごくっと流し込んだ。
三回戦は、塩ようかんを口に入るだけ入れて飲み込む。
次にTURUYAのトレイルミックスを口いっぱい頬張り 噛んで噛んで飲み込み、
森永の練乳チューブをチュウチュウ。
最後にアミノ酸パウダーを水で胃袋に流し込んで立ち上がる。
エネルギー補給完了。
さあ常念岳、まずはこの樹林帯を早く抜けたい!
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一昨日に降ったのだろう雪の斜面が柔らかかった。
一歩一歩しっかり蹴り込まないとズルズル戻され、足場ができず困った。
途中、樹林帯の隙間から眺望が開けた。あそこか。
左が前常念岳、右が常念岳本峰であろう。まだまだだな~
さらに樹林の中のラッセルは続く。
それにしてもこの東尾根、初めて歩いたけどイヤな尾根。
小ピークを忠実にいくつも越えていくので、登っているのに下りが多く萎える。
途中、右の太ももが攣ったので、げんこつ握って叩いて再起動。
そしてついに
森林限界を抜け、前常念岳&常念岳が正面に!
ここまで7時間、長かった!
しかし、
空はなんて青く、
雪はなんて白いのだろう。
美しい冬の山。
一息入れて歩き出す。
歩き出したが前常念岳への傾斜はきつく、
スノシュでは足が出しにくくなってきたので岩陰にデポ。
新雪&深雪に大いに親切だった
MSRスノシュ、ありがとう!
ナイス、スノシュー!
浮力、ナイス!
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しかし、この先からの岩稜斜面が悪かった。(汗)
雪面のトラバースは避けたかったので直登を選択。
アイゼンにチェンジし登っていくが、深雪に何度も股まで踏み抜く。
踏み抜くと体勢の復旧に疲れるので、岩にアイゼンをかけて登る。
そんな斜面が三枚あって心が折れかけた。(*_*)
さらに高度を上げると、常念岳と思って目指していたピークの後ろに本峰が見えた時には戦意喪失。
斜面にもたれかかり腕時計をめくるともう11時。
撤退と思っていた時間が過ぎたので、
もうここで良しとしようと何度も思って何度も足が止まった。
ふう。
・・・が、めったにない厳冬期北アルプスの晴天、風も穏やかなBIG DAY、
登頂は無理でも せめて稜線に出たい。
稜線に出れば、西側に聳えているだろう穂高連峰が見えるはず。
黒糖の飴をナメて、エネルギーを脳に全身にまわそう。(イメージ)
行きます。登ります。頑張ります。
あそこまで・・・
=3
もう少し・・・
=3
でた !!
冬の穂高連峰、超ナイス!
すごい すごい すごい
前穂 奥穂 北穂 ♪
気づいたら知らぬ間に笑顔になっていた。
今日初めて笑った気がしたぞ。(笑)
正午が過ぎた歩き出しから約10時間、正面に常念岳が見えているが、
前常念岳を過ぎたところで 悔しさを雪稜に突き刺し、気持ちに区切りをつけた。
届かなかった。
ヘトヘトになってしまった。
ココが今日の山頂ダァー!
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さて下山。
斜面を降りる途中、左の膝に激痛が走った。
一歩一歩が痛くて歩くのに難儀。 試練は続くよ~(涙)
こうなりゃスパッツを下ろし、パンツ姿になってテーピングで膝ガチガチに固定。
持っているロキソニンSを飲んで痛みをごまかして歩き続けた。
=3
結局1日誰とも会わなかったなぁ。
夕方17時、無事林道に出てヘトヘト振り返ると ピラミダルな山容が見えた。
よーし、次回こそ常念岳登頂するぞー!
情念の炎メラメラ~!
・・という気持ちになれなかった。
でもいつかアタックするんだろうな。
今度はテントを持っていこう。
常念岳の山頂から白い槍ヶ岳が見たいな。
↑ アタックする気になってるし。(笑)
- 完 -