忘れられた稜線

mukuri

2015年10月10日 09:25



北アルプス 後立山南端部縦走コース。

そこは賑やかな白馬、五竜・鹿島槍と、裏銀座との中間に位置する山域。
百名山はない。訪れる登山者も少ない。地味でマイナーなイメージ。
そんなことから、そこは 「忘れられた稜線」 と呼ばれているという。

今回、紅葉で混みあっているだろう華やかな山域を避け、静かな山歩きをしたくてそこを選んでみた。

扇沢を起点に日帰り周回、標準コースタイム16時間、距離約25kmと少々ロング。
しかし、この位の設定の方が燃えてくるのだ。(私)

今回の記事もロングです。反省してまーす。

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スタートは早朝3時30分、扇沢Pから柏原新道を登る。



この道は、昨年の冬 に3回歩いている。
なのでヘッデン歩きでも不安がないぞ。

そして、その時見上げながら歩いた稜線アーチが素晴らしかったのを今もはっきりと覚えている。

(平成26年11月中旬撮影 左から冠雪の針ノ木岳~スバリ岳~アーチ~赤沢岳)

今日はそこを歩く!歩ける! 


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=3

・・・で、約2時間45分で種池山荘着。


ガス&小雨で朝焼けも眺望もほとんどなかったけどやむなしじゃ。

昼前には天候回復の予報を信じ、さあ、6つの山頂を踏める稜線コースのスタート、
目指すは最終ボス 蓮華岳。 (れんげだけ/2,799m)



・・・で、まずは1つ目、最初のピーク 岩小屋沢岳 (2,630m)を目指して稜線を南へ。
あのガスガスの中のピークが山頂であろう。



=3


岩小屋沢岳を越え、2番目に目指すは右奥のピーク、鳴沢岳。(2,641m)
雨がやみ、富山側からガスがはれてくると 美しい稜線ラインが眼下にのびているのが見えてきた ♪
(途中の小屋は新越小屋)



=3


鳴沢岳を過ぎ、3座目はあのてっぺん 赤沢岳。 (2,678m)
ガスに浮かんでくる山稜が、ラピュタっぽくてグッとくる。



=3


と、途中で 自分の影に虹の後光がさす ブロッケン現象が現れた!


初めて見たブロッケン現象に興奮し、思わず ベルリンの赤い雨をやってしまった。(笑)



=3

8時30分、赤沢岳を登り切るとさて、次は4つ目のピーク スバリ岳。 (2,752m)
この区間がちと長そうだが、大好きな稜線歩き、
そして歩きたかった アーチ区間 に気持ちは高揚、足取りは軽いぞ~



そういえば、さっきすれ違った朝から5人目、オレンジ色ザックのオヤジさんから声をかけられた。

オヤジさん 「どこからか―、 種池からかー。」
m  「いえ、朝イチで扇沢から。」
オヤジ 「で、どこまでよ。」
m  「針ノ木からレンゲやって、そのまま扇沢に下山です。」

オヤジさん 「なに? 日帰り? よーやるわ。2日かけるコースだぞ。」
m  「はははー。(私はヘンタイですので) まあ、行けるだけ行きますよ。」


さあ、スバリ岳に向かおう。
私は最初、「ズバリ」 岳と見てしまった山だ。(苦笑)

=3


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(スバリ岳)

コルからの傾斜がきつかったが、休み休みジグザグ登って・・・


登頂 ♪ 



眼下の黒部湖を見ながら休憩、
どら焼き2個 (カスタード&マロン) でスタミナ補給完了。



=3

そして目指すは5座目の 針ノ木岳。(2,821m)

そこまでの稜線もゴツゴツとアップダウンが手強そう。
それが良い。だから良い。この手強さが私の中のナニカを掻き立てるのだ。




・・・で、


10時40分、針ノ木岳 登頂!
本日のナンバー2 踏破 ! (標高は№1ですが。)

しかしここで 標準×0.7で作って来た “ これで歩けよ自分コースタイム” の貯金が少なくなって来た。
朝3時半から登り始め だいぶ疲れが出てきたか。


ココ針ノ山頂でもう一回休憩だ。
記事も長くなってきたしね。(笑)

持ってきてたサーモスのホットコーヒーで温まりながら、
セブンで買ってきた大福を2個取り出し頬張る。 ウマし。

それにしても、歩いて来た稜線を振り返るこの時間って、たまらんなぁ~







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さて、立ち上がり ザックを背負って歩き出す。

朝からずっとガスで見えなかった、ラスボス 蓮華岳 (左) の山容が見えてきている。
うへ、まだあんな遠いや。

=3 =3





鞍部にある針ノ木小屋を通過し、蓮華岳への登山道を登る。



脇には紅葉のティングルマ。

=3



登頂まで、2つ? 3つ? のニセピークに心折れそうになったけど・・・



12時30分 蓮華岳 ツモ ♪

本日の最終6座目、無事目的達成~ (^^)/ 長かった。





針ノ木小屋まで戻る途中、



朝歩いて来た稜線の二段奥に、雲空に聳える デカイ 山の塊が見えた。

立山連峰 剱岳。(2,999m)

いつか挑んでみたい 「試練と憧れ」 の山。メラメラ。



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針ノ木小屋まで戻ってきて、後は針ノ木雪渓沿いに下って扇沢Pへ。


=3


途中、登山道の脇になんとまだ花が残っていた。

  
ヨツバシオガマ と ウサギギク。
どちらも、7月の薬師岳 で花の先生に教えてもらった花だ。 インプットできていたぞ。(笑)

きっと雪渓沿いで涼しいので、今時期に咲いているんだね。
でももう少しで山は冬、雪が降ってきちゃうよ~


=3


ナナカマドのトンネルをくぐりながら・・・




・・・紅葉と一緒に扇沢まで降りていく。 


これが意外に長かったケドネ。(^^;

=3


無事扇沢Pに戻ってきて腕時計を見たら 夕方4時を回っていた。


約13時間、ロングだったけど良いルートだった。
稜線をたっぷり歩けたし、天気もまぁまぁだったしね。





      北アルプス 後立山南端部にある 「忘れられた稜線」

そこは、稜線好きにはたまらない 「忘れられない稜線」 となったのでした。


最後にコレ↑を書きたかった。(笑)




- 完 -

長文最後までありがとうございました。m(__)m




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