北アルプス 北穂高岳

mukuri

2015年07月17日 19:08



~ 北穂高岳から見る 大キレット越しの槍ヶ岳 ~

2013年 「山と渓谷」 7月号の表紙を飾っていたその写真がたまらなくカッコよかった。
その風景をこの目で見たかった。 ならば、その朝焼けのシーンを見てやろう!

      さあ今、目の前で夜が明ける。 太陽が出るまでカウントダウンだ !

長文失礼 !

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北穂高岳山頂 (3,106m) から、夜明けの 「あの風景」 を見るためには、
この時期、日の出時刻の朝4時半から逆算し・・・

北穂高岳山頂までは涸沢から約2時間半か。
涸沢まで横尾から約2時間。

なので前日夕方に上高地から横尾入りし・・・







23時半に起きて、深夜0時に歩き出し。






ヘッデン2つで本谷沿いを登ってゆく。
この道は すでに2回 歩いているのが夜でも心強い。





ナイトハイクは初めてであるが、

涼しいのが良い。
人がいないので空いてて良い。
真っ暗で景色を楽しめないので、ただただ歩けるのが良い。(?)





午前2時、涸沢ヒュッテ着。
小屋のランプのあかりが嬉しかった。






涸沢カールから見上げると星空が綺麗。





時間は午前2時20分、ゆっくりもしていられないぞ、
さあキタホ (右奥) 目指して南稜に取りつかねば。


=3


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アイゼン&ピッケルは背負ってきたが出番なし。
北穂沢に残る雪渓には、ステップが切ってくれてあって助かった。

夏道から一枚岩の鎖場をやり過ごし、






その先のハシゴを登りきって 岩稜の尾根をジグザグに登っていくと・・・




午前4時、南稜テラスを通過して振り返る。




巨大な奥穂高岳 (右 3,190m) と前穂高岳 (左 3,090m) が明け始めた暗闇に浮かんで見えている。
登山道脇の左下のテント場には、一張りだけあったテントに明かりがともっている。

ここのテン場は、小屋から離れ水場もトイレもない岩稜斜面のシビアなテン場。
だからこそ自然と一体化できそうで、一度はテントを張って泊まってみたい場所。




午前4時05分、ついに稜線の分岐へ出た。 夜明けに間に合うか。








午前4時10分、松濤のコル。




ここの通過が緊張かと思っていたが、雪渓にステップを段々に切ってくれてあった。
おかげで安全&スピーディーに通過。 小屋スタッフの皆さん、ありがとうございました。


南稜の夏道が開通するまでは、この雪渓を涸沢から直登してくるのがルート。
ピッケルワークが上達したら、いつかチャレンジしてみたいな。


ここを通過し、最後の南斜面を登り返すと・・・





午前4時15分、やった 北穂高岳登頂 !





涸沢から1時間55分、夜明け前に間に合った !



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北穂高小屋へ移動し 静かにその時を待つ・・・






午前4時40分、常念岳の左、雲海の上から登ってきた太陽。

辺りがオレンジ色に包まれていく。
ドラマチックな時間。 山はこの時間が素晴らしく美しいと思う。

大地に立っている、いや、地球に立っているんだなって実感した時間。




そして、今回一番の目的の風景をガン見。
これが見たくて夜中から歩いて来た。

素晴らしい。









キタホ山頂に移動すると、奥穂高岳 は紅黒く照らされていた。





満足 ♪



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午前5時20分、さんざん写真を撮ったら 小屋のテラスの特等席で温かいコーヒー。







飲み終わったらすぐ立ち上がってまた撮影会。(笑)




この高度感。
標高約300mをも いったん深く落ち込んだ岩稜が、再びあの先端に向かってぐんぐん高まっていく。



大キレット越しの 「槍ヶ岳 (3,180m) 」 。

あの先端に向かって周りの山が収束されているような。
いや、あの先端から周りの山が広がっているような。

左の奥は奥黒部。
右の奥は後立山。

山、山、山。


見ていて飽きることがない圧巻の山風景。
素晴らしい。素晴らしい。素晴らしい。









午前6時40分、到着から約2時間、
名残惜しいけど十分堪能したので小屋を後にしたのでした。



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北穂高岳山頂に戻って、右に奥穂高岳と左が前穂高岳。 左下に涸沢ヒュッテ。







北穂分岐から奥穂方面に少し進んだ最初のピークから振り返ると、
手前北穂高岳と奥に槍ヶ岳のワンツー。







同じ場所から南は、正面に涸沢岳 (3,110m) と左後ろに奥穂高岳。
奥穂高岳の右は、ロバの耳とジャンダルム。



このままついでに奥穂高岳まで稜線を歩いていこうと思ったけど、
北アルプスの最高峰を目指すのに、「ついで」 はやめておこう。

オクホはオクホでちゃんと登りたい。

何より眠くて眠くて、頭と体がフワフワだし。(^^ゞ





北穂分岐に戻って、
この長い長い下り坂を、ザックを背中の後ろに乗せて
ストックゆるゆる握りしめて ゆっくりゆっくり下ってくー ♪




途中、はじけるように咲くハクサンイチゲの脇から、北穂高岳を振り返る。



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まだ朝の9時過ぎ、快晴の涸沢ヒュッテに戻って・・・




グビグビ うんまい ♪


~ 満喫タイム ~



さて、重い腰を上げて横尾のテントまで歩かねば。
テントに戻ったら まずはひと眠りしたいな。

その後ゆっくり上高地まで戻ったら、最終バスに乗って帰ればいいや。

しかし、寝坊は禁止ですに。(私)



- 完 -




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