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北穂高岳山頂 (3,106m) から、夜明けの 「あの風景」 を見るためには、
この時期、日の出時刻の朝4時半から逆算し・・・
北穂高岳山頂までは涸沢から約2時間半か。
涸沢まで横尾から約2時間。
なので前日夕方に上高地から横尾入りし・・・
23時半に起きて、深夜0時に歩き出し。
ヘッデン2つで本谷沿いを登ってゆく。
この道は
すでに2回 歩いているのが夜でも心強い。
ナイトハイクは初めてであるが、
涼しいのが良い。
人がいないので空いてて良い。
真っ暗で景色を楽しめないので、ただただ歩けるのが良い。(?)
午前2時、涸沢ヒュッテ着。
小屋のランプのあかりが嬉しかった。
涸沢カールから見上げると星空が綺麗。
時間は午前2時20分、ゆっくりもしていられないぞ、
さあキタホ (右奥) 目指して南稜に取りつかねば。
=3
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アイゼン&ピッケルは背負ってきたが出番なし。
北穂沢に残る雪渓には、ステップが切ってくれてあって助かった。
夏道から一枚岩の鎖場をやり過ごし、
その先のハシゴを登りきって 岩稜の尾根をジグザグに登っていくと・・・
午前4時、南稜テラスを通過して振り返る。
巨大な奥穂高岳 (右 3,190m) と前穂高岳 (左 3,090m) が明け始めた暗闇に浮かんで見えている。
登山道脇の左下のテント場には、一張りだけあったテントに明かりがともっている。
ここのテン場は、小屋から離れ水場もトイレもない岩稜斜面のシビアなテン場。
だからこそ自然と一体化できそうで、一度はテントを張って泊まってみたい場所。
午前4時05分、ついに稜線の分岐へ出た。 夜明けに間に合うか。
午前4時10分、松濤のコル。
ここの通過が緊張かと思っていたが、雪渓にステップを段々に切ってくれてあった。
おかげで安全&スピーディーに通過。 小屋スタッフの皆さん、ありがとうございました。
南稜の夏道が開通するまでは、この雪渓を涸沢から直登してくるのがルート。
ピッケルワークが上達したら、いつかチャレンジしてみたいな。
ここを通過し、最後の南斜面を登り返すと・・・
午前4時15分、やった
北穂高岳登頂 !
涸沢から1時間55分、夜明け前に間に合った !
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北穂高小屋へ移動し 静かにその時を待つ・・・
午前4時40分、常念岳の左、雲海の上から登ってきた太陽。
辺りがオレンジ色に包まれていく。
ドラマチックな時間。 山はこの時間が素晴らしく美しいと思う。
大地に立っている、いや、地球に立っているんだなって実感した時間。
そして、今回一番の目的の風景をガン見。
これが見たくて夜中から歩いて来た。
素晴らしい。
キタホ山頂に移動すると、奥穂高岳 は紅黒く照らされていた。
満足 ♪
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午前5時20分、さんざん写真を撮ったら 小屋のテラスの特等席で温かいコーヒー。
飲み終わったらすぐ立ち上がってまた撮影会。(笑)
この高度感。
標高約300mをも いったん深く落ち込んだ岩稜が、再びあの先端に向かってぐんぐん高まっていく。
大キレット越しの 「槍ヶ岳 (3,180m) 」 。
あの先端に向かって周りの山が収束されているような。
いや、あの先端から周りの山が広がっているような。
左の奥は奥黒部。
右の奥は後立山。
山、山、山。
見ていて飽きることがない圧巻の山風景。
素晴らしい。素晴らしい。素晴らしい。
午前6時40分、到着から約2時間、
名残惜しいけど十分堪能したので小屋を後にしたのでした。
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北穂高岳山頂に戻って、右に奥穂高岳と左が前穂高岳。 左下に涸沢ヒュッテ。
北穂分岐から奥穂方面に少し進んだ最初のピークから振り返ると、
手前北穂高岳と奥に槍ヶ岳のワンツー。
同じ場所から南は、正面に涸沢岳 (3,110m) と左後ろに奥穂高岳。
奥穂高岳の右は、ロバの耳とジャンダルム。
このままついでに奥穂高岳まで稜線を歩いていこうと思ったけど、
北アルプスの最高峰を目指すのに、「ついで」 はやめておこう。
オクホはオクホでちゃんと登りたい。
何より眠くて眠くて、頭と体がフワフワだし。(^^ゞ
北穂分岐に戻って、
この長い長い下り坂を、ザックを背中の後ろに乗せて
ストックゆるゆる握りしめて ゆっくりゆっくり下ってくー ♪
途中、はじけるように咲くハクサンイチゲの脇から、北穂高岳を振り返る。
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まだ朝の9時過ぎ、快晴の涸沢ヒュッテに戻って・・・
グビグビ うんまい ♪
~ 満喫タイム ~
さて、重い腰を上げて横尾のテントまで歩かねば。
テントに戻ったら まずはひと眠りしたいな。
その後ゆっくり上高地まで戻ったら、最終バスに乗って帰ればいいや。
しかし、寝坊は禁止ですに。(私)
- 完 -