深雪の爺ヶ岳 (敗退)

mukuri

2014年11月18日 22:44



11月中旬の北アルプス。

爺ヶ岳(標高2,670 m)への柏原登山道は 雪もりもり。
鬼ラッセルで前進も、途中で力尽き敗退~


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朝7時、扇沢下の駐車場にはすでに車が6台。
やった。いしし、作戦成功。

事前情報で、登山道にはすでに股下? 腰? までの積雪があるとのことなので、
先行者にラッセルしてもらって、ラクしてそのトレースをいただく作戦だったのだ。(笑)

目標、爺ヶ岳 南峰登頂。
標準コースタイムは片道4時間30分。

天気予報も良さげだし、そこからの鹿島槍ヶ岳、そして剱岳の眺望が楽しみだ~ ♪





柏原新道入り口。


ここから、足首ほどの積雪登山道をジグザグに登り樹林帯を抜けると、
蓮華岳~針ノ木岳~赤沢岳~鳴沢岳と連なる峰々が白い、凄い !!

そしてやっぱり、冬の山は一段と美しい。








(針ノ木岳~スバリ岳~赤沢岳の吊り尾根アップ)






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先行者のありがたきトレースをいただいて登っていくも・・・






だんだん雪深くなってきたので ワカンを装着。




しかし、今シーズン初のワカンに、バンドのつけ方忘れてモタモタ。

左足なら左下、右下、左上、右上だったか。

あれ、余ったバンドどうしたっけ。
とりあえず金具に通しておけ。(笑)




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快晴の北アルプス。




傾斜は緩く、歩きやすい登山道。
ペースはサクサク順調~

白い稜線を眺めながらの雪山トレック、やっぱり気持ちがイイ ♪
正面の山の名前はよく分からんけど。


これこれ。

いよいよ、私の本格登山シーズンの開幕だ!



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歩き出してから2時間30分、このペースならお昼前には山頂か? と思っていたら・・・






ラッセル中の神々(先行者)に追いついてしまった。

私に気づいていないようなので、このまま後ろからそーっとついていこうかって思った。(笑)



「ありがとうございます! 何時から登ってるんですか~」

「4時半からですよ~」

名古屋から来たという女史さんが笑顔で答えてくれた。


「よっ、4時半!?、先頭代わりますよ、私は7時半からなので。」

「お願いしまーす。(^^) 」


ここまで長時間ラッセルありがとうございました。
おかげでなんの苦労もなく登って来れましたよ。



一緒に登って来たという 新潟の男性ハイカーさんと先頭交代。





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フカフカの雪がなかなか手強い。



汗だくラッセルでなんとか100m前進、そしてこんな斜面のトラバースが。




掴むところがないボルタリングをするかのように、
斜面に体を預けての横バイで進む。

ヘンな筋肉使うなぁ~


ふぅ。


「先頭代わりますよ~」


なんとか突破できたので、先頭を交代してもらう。
ありがたし。






私はチョコでカロリー補給し小休息。
全身の汗が冷えてつめて~



その後も3人で交代しながら前進!




(新潟の男性ハイカーさん、写真ありがとうございました。)







それにしても女史さんのガッツ、すばらしい。

ボコボコボコ~!





「ここの谷筋は雪崩が心配だから、ダッシュで行きます!」

ダッダッダ~!


突破。(笑)



「私、この時期にこのルートから爺ヶ岳に登りたかったんですよね。」
「雪があった方が、自分のスキルが上がるし。」

「でも、この雪で今日は無理かな。せめて種池山荘までは行きたいな。」
「こんなに時間がかかるなら、夜中12時頃から歩き出せばよかった。(笑)」


言葉の一つ一つが明快で気持ちいい。
なんか感化されるなぁ。




そのまま女史さんは、新潟の男性ハイカーさんとこの地点で昼食をとるという。

約6時間ものラッセル、お疲れ様でした。




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さて、時間はすでに11時30分過ぎ。(*_*;
下山時間を考えると、登頂はやっぱりもう無理か。

しかし私も、自分を追い込み 自身の限界を高めたく登ってきている。

ガッツだ ! 行けるだけいこう !

・・・と、攣りはじめた両足を前に運び続ける。




時間は過ぎ、せめて稜線上の種池山荘までと 単独でラッセルをし続けるも・・・

標高差あと100m、しかしこの先は鉄砲坂と呼ばれる最後の急登。。。





体力の限界。

もう無理だ、撤退だ。

それでもここまで来れた。
1人ではとてもここまでは来れんかったなあ〜。





標高2,380mの撤退地点、すっかり冬枯れのダケカンバ林の中から見た稜線。

手が届きそうなくらい近くて近くて・・・遠かった。






降りかえって 「がんばったロード」。


遠くには、富士山、八ヶ岳が見えていた。



さあ戻ろう。




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少し下って 雪山おじやy で空腹を満たし、ゆっくり下ってゆく。



振り返った先に、さっきまで深雪の中 もがいて目指した稜線と種池山荘が見えた。





きっとあの辺まで行ったんだろうな。
もうちょっとだったけど無理だった。

あの向こうに広がる景色はどんなだったんだろう。


頑張れるだけ頑張った。自分。




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北アルプス 爺ヶ岳。


次はこの山頂 ↓↓ に立ちたい。夏ではなく冬に。積雪期に。





冬季はこの日のルートが使えないので、南尾根からジャンクションピーク経由でのルートだな。
日帰りでは届かないだろうから、雪中テント泊か。やったことないが大丈夫だろうか。(汗)



今回、目標の登頂はできなかったけど、経験値は上がったかな。
攻撃力も守備力も+1ポイントくらいは。(笑)

何より、山仲間 (勝手に) と一緒にラッセルしたことが印象に残った良い山行だった。



「ありがとう、またどこかの山で。」




雪山シーズンはまだ始まったばかり。





- 完 -



最近、記事が長くなってスミマセン。(汗)








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