南アルプス 塩見岳 敗退
---------------------------------------------------------------------
【1日目】
朝9時、長野県大鹿村の鳥倉林道登山口から入山。
この日は、2日目の登頂に向けて進めるだけ進んでおきたい計画。

午後1時半、三伏峠小屋まで登ってくると 前日降ったのだろう雪がフカフカしてきたけど、
小屋の先には一本のトレースがうっすら残っていて助かった。
進むべきルートも初めてで不安だったので、そのトレースが心強かった。
スノーシューを装着し進む。

三伏山まで来ると世界が開け、振り返ると南方面に小河内岳。

右正面には塩見岳。
初登頂は積雪期にやってやろう! ・・・と ずっと思っていた山。
まだまだ遠いな。
明日はあの頂に無事立てているのだろうか。
いや 行く!立つ!
気持ちは立ち止まつておらず、前へ!

前進!
ここでトレースはなくなったけど、ここからは下りになるのでラクだよなぁ。
と思ったのも甘し、雪は深く、何より雪の重みでルート上に覆いかぶさっている枝々に難儀、
頭はくぐっても背中でザックに引っかかり抜けきるのにその都度てこずり。
=3
午後3時半、くたびれてしまい 結局本谷山までもたどり着けず樹林の中でテント設営。

陽が落ちると静けさが際立ってきた。
独り。気温マイナス15度の夜を過ごした。

---------------------------------------------------------------------
【2日目】
朝4時起床、コンタクトレンズがスムーズに装着できた。
そんな普段ではあたり前のことが嬉しかった。

さあ、念願の塩見岳に向かってアタック!
先ずはルートの本谷山へ!
=3

途中、樹林が開けた場所から朝日が昇るのが見えて立ち止まった。
あそこ塩見岳はまだまだ遠し。でも元気が出たぞ。
歩き出す。
朝7時過ぎ 本谷山着~

一息ついたら・・・ 見る見る間に ガスワンダー(T_T)
風も出てきた。
細かい雪が顔を打つ。
携帯が繋がったので天気予報を見たら予報急変下り坂、
GPV予報でも 夕方までこの山域の厚い雲がとれそうもない。
なんだよー
インナーグローブで携帯を操作していたら指先が寒痛くなってきたので、
携帯をポケットにしまい、オーバーグローブを着けて指をもんだ。
進むか戻るか 足踏みしながら しば~らく悩んでいた。
やっぱり、眺望の期待できる時に塩見岳に登りたかったので引き返すことに決めた。
天候悪化ではしょうがない。
ホントは、不安で怖気づいて先に進めなくなったのだけれども。
結局何もチャレンジしていないや。
撤退。
=3

三伏峠小屋まで戻ってくると、冬期避難小屋内にテントを張っておいて、
転戦先の烏帽子岳(2,726 m)を目指すことにした。

烏帽子岳までも途中からトレースが無くなったけど、
悔しさと情けなさから がむしゃらにラッセルをしながら進んだ。
今日はこれまで全然頑張っていなかったので、疲れたと思わないことにした。

小屋まで戻ってきて就寝。
---------------------------------------------------------------------
【3日目】
朝4時に起きて、支度を整えて再び烏帽子岳に登る。

富士山と御来光。

烏帽子岳からは塩見岳の左に 間ノ岳、農鳥岳。
奥には 甲斐駒ヶ岳、仙丈ヶ岳と南アルプスの名峰群が実に素晴らしかったが、
今日ココで一番見たかったのはそれらではなかった。
昨日撤退した本谷山から、塩見岳までの尾根筋ルート。

強く寒い風に打たれて身体は寒かったけど、
目はしっかり開いてしばらく眺めていた。
塩見小屋の先から目指す頂までのルート。
核心部であろう。

天狗岩はあそこら辺をトラバースか。
西峰直下の岩稜は急斜面。アイスとのミックスになっているだろう。
念のためピッケル2本持って行った方がいいかな。
---------------------------------------------------------------------

下山し、村中まで来たらなんとhさんがいた。(笑)
一緒に向かった 信州まつかわ温泉 清流苑の駐車場からは塩見岳が見えた。
いつか、その山頂に立つ自分の姿をイメージしていたのでした。
南アルプス 塩見岳 敗退。
露天の熱いお湯が 心と身体にじーんと沁みた。
なんだか暗い文面になってしまいスミマセンでした~(^^ゞ
-完-
【1日目】
朝9時、長野県大鹿村の鳥倉林道登山口から入山。
この日は、2日目の登頂に向けて進めるだけ進んでおきたい計画。

午後1時半、三伏峠小屋まで登ってくると 前日降ったのだろう雪がフカフカしてきたけど、
小屋の先には一本のトレースがうっすら残っていて助かった。
進むべきルートも初めてで不安だったので、そのトレースが心強かった。
スノーシューを装着し進む。

三伏山まで来ると世界が開け、振り返ると南方面に小河内岳。

右正面には塩見岳。
初登頂は積雪期にやってやろう! ・・・と ずっと思っていた山。
まだまだ遠いな。
明日はあの頂に無事立てているのだろうか。
いや 行く!立つ!
気持ちは立ち止まつておらず、前へ!

前進!
ここでトレースはなくなったけど、ここからは下りになるのでラクだよなぁ。
と思ったのも甘し、雪は深く、何より雪の重みでルート上に覆いかぶさっている枝々に難儀、
頭はくぐっても背中でザックに引っかかり抜けきるのにその都度てこずり。
=3
午後3時半、くたびれてしまい 結局本谷山までもたどり着けず樹林の中でテント設営。

陽が落ちると静けさが際立ってきた。
独り。気温マイナス15度の夜を過ごした。

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【2日目】
朝4時起床、コンタクトレンズがスムーズに装着できた。
そんな普段ではあたり前のことが嬉しかった。

さあ、念願の塩見岳に向かってアタック!
先ずはルートの本谷山へ!
=3

途中、樹林が開けた場所から朝日が昇るのが見えて立ち止まった。
あそこ塩見岳はまだまだ遠し。でも元気が出たぞ。
歩き出す。
朝7時過ぎ 本谷山着~

一息ついたら・・・ 見る見る間に ガスワンダー(T_T)
風も出てきた。
細かい雪が顔を打つ。
携帯が繋がったので天気予報を見たら予報急変下り坂、
GPV予報でも 夕方までこの山域の厚い雲がとれそうもない。
なんだよー
インナーグローブで携帯を操作していたら指先が寒痛くなってきたので、
携帯をポケットにしまい、オーバーグローブを着けて指をもんだ。
進むか戻るか 足踏みしながら しば~らく悩んでいた。
やっぱり、眺望の期待できる時に塩見岳に登りたかったので引き返すことに決めた。
天候悪化ではしょうがない。
ホントは、不安で怖気づいて先に進めなくなったのだけれども。
結局何もチャレンジしていないや。
撤退。
=3

三伏峠小屋まで戻ってくると、冬期避難小屋内にテントを張っておいて、
転戦先の烏帽子岳(2,726 m)を目指すことにした。

烏帽子岳までも途中からトレースが無くなったけど、
悔しさと情けなさから がむしゃらにラッセルをしながら進んだ。
今日はこれまで全然頑張っていなかったので、疲れたと思わないことにした。

小屋まで戻ってきて就寝。
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【3日目】
朝4時に起きて、支度を整えて再び烏帽子岳に登る。

富士山と御来光。

烏帽子岳からは塩見岳の左に 間ノ岳、農鳥岳。
奥には 甲斐駒ヶ岳、仙丈ヶ岳と南アルプスの名峰群が実に素晴らしかったが、
今日ココで一番見たかったのはそれらではなかった。
昨日撤退した本谷山から、塩見岳までの尾根筋ルート。

強く寒い風に打たれて身体は寒かったけど、
目はしっかり開いてしばらく眺めていた。
塩見小屋の先から目指す頂までのルート。
核心部であろう。

天狗岩はあそこら辺をトラバースか。
西峰直下の岩稜は急斜面。アイスとのミックスになっているだろう。
念のためピッケル2本持って行った方がいいかな。
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下山し、村中まで来たらなんとhさんがいた。(笑)
一緒に向かった 信州まつかわ温泉 清流苑の駐車場からは塩見岳が見えた。
いつか、その山頂に立つ自分の姿をイメージしていたのでした。
南アルプス 塩見岳 敗退。
露天の熱いお湯が 心と身体にじーんと沁みた。
なんだか暗い文面になってしまいスミマセンでした~(^^ゞ
-完-
この記事へのコメント
熱い記事ですね。
雪がけっこうありますね。これはラッセル大変だったと思います。
ふもとには、雪がないのに別世界です。行ったものしか分かりませんね。
判断を間違えば、命を失う危険な冬山ですから、今回の判断は正解です。
冬山では妥協は禁物ですね。
上から目線ですみません。
雪がけっこうありますね。これはラッセル大変だったと思います。
ふもとには、雪がないのに別世界です。行ったものしか分かりませんね。
判断を間違えば、命を失う危険な冬山ですから、今回の判断は正解です。
冬山では妥協は禁物ですね。
上から目線ですみません。
◆Fさん、こんばんは。
いつもアツ苦しい記事ですみません。(笑)
撤退した場所から先のルートや地形を知っていればもっと違った判断ができたかもしれません。
今回の判断は、安全と引き換えに目的を断念するものでした。
「安全な登攀」なんてありえない。ありうるのは「確実な登攀」である
~松田宏也~
塩見岳、今回近づけませんでしたが、その山域を自分の目で見て肌で感じてきました。
情報化社会であっても、最も信用出来るのは自分の目で見てきた事や
自分の体で体験した事ですからね。(ニヤリ)
いつもアツ苦しい記事ですみません。(笑)
撤退した場所から先のルートや地形を知っていればもっと違った判断ができたかもしれません。
今回の判断は、安全と引き換えに目的を断念するものでした。
「安全な登攀」なんてありえない。ありうるのは「確実な登攀」である
~松田宏也~
塩見岳、今回近づけませんでしたが、その山域を自分の目で見て肌で感じてきました。
情報化社会であっても、最も信用出来るのは自分の目で見てきた事や
自分の体で体験した事ですからね。(ニヤリ)
お疲れした〜〜
絶対安全な登攀はあり得ないですが、
事前の準備で安全性を高めることはできます。
夏に歩いておくのも手ではありますに。
まあ夏に歩いた道でも
途中で引き返してきちゃったh爺が言うのもなんですが(^^;;
仕事を確実に片付けて憂いなく出発するのも
準備のうちですね。。。
絶対安全な登攀はあり得ないですが、
事前の準備で安全性を高めることはできます。
夏に歩いておくのも手ではありますに。
まあ夏に歩いた道でも
途中で引き返してきちゃったh爺が言うのもなんですが(^^;;
仕事を確実に片付けて憂いなく出発するのも
準備のうちですね。。。
◆hさん、こんばんは。
ホント、その山を知ることで(知っておくことで)安全性が高まりますね。
山行計画も立てやすいですし、気持ち的に追い込まれないです。
過剰な装備にもならず軽量化にもつながりますしね。
仕事は…しっかり区切りをつけてスッキリ出発したいですね。
という私も、保留案件をいくつも抱えているので 現実逃避で登っていますが。(笑)
ホント、その山を知ることで(知っておくことで)安全性が高まりますね。
山行計画も立てやすいですし、気持ち的に追い込まれないです。
過剰な装備にもならず軽量化にもつながりますしね。
仕事は…しっかり区切りをつけてスッキリ出発したいですね。
という私も、保留案件をいくつも抱えているので 現実逃避で登っていますが。(笑)