2月の北岳 本編
------------------------------------------------------------------
【1日目】
奈良田ゲートから歩き出し。
千葉のkさん、情報ありがとうございました (^^)/

約12km、アスファルト林道を3時間、登山口の あるき沢に到着。

そこから更に4時間登った15時30分、池山御池小屋着。(標高2,200m)
通年無人開放のこの小屋、今夜は貸し切り。
薄暗い部屋で 一人鍋 を食べて早めに就寝 Zzz。
【2日目】
10時間寝た朝4時に起床。小屋内の気温は-6℃だった。

6時、ワカン&アイゼンで出発し、樹林帯で迎えたモルゲン。
小屋からルートを間違えてしまったので、深雪の急斜面を四つん這いで。(*_*)

ここからは膝までのラッセル3時間、尾根を登って登って標高を上げ、
ついにボーコン沢の頭 (標高2,823m) まで来ると・・・

眼前に北岳 大迫力!
一息入れた後、あのてっぺんに立つため
約20kgのザックを再び背負い雪稜に踏み出す~
=3

・・・降りてきた八本歯の頭を振り返る。
帰りはココを越えにゃならんのがイヤだなぁ。
正午過ぎ、予報通り天気が崩れ、
風と雪とガスが強まる中、稜線のシルエットを頼りに歩を進め・・・

14時、今日の宿 北岳山荘(冬期無人開放)が見えた時にはほっとした。
広い部屋の板間に座り、温かいお湯を飲んで落ち着かせる。 ふぅ~。
誰かが来てもいいようにと 荷物を寄せておいたが結局誰も入ってこなかった。
ラジオから聞こえてくる人の声が嬉しい。明日は晴れ予報と言っている。
その後も3,000mの稜線上の山荘を打つ風雪はおさまらない。
-10℃の部屋の中、メシを食べた後 焼酎を飲んだが酔わなかった。
ゴーゴー止まぬ音がコワかったので、耳栓をして身を隠すようにシュラフに潜った。
しかし、1時間おきに目が覚めてしまい その都度体の向きを変えて寝た。
寒く長い夜だった。
Zzz
-------------------------------------------------------------------
【3日目】
朝5時に起床し、熱々のカフェオレで体内から温めていると・・・

部屋の東窓、雲海の向こうから太陽が昇りはじめた。
希望のヒカリに全身の血液の流れが強くなっていく気がした。
慌てて外に飛び出して

南は間ノ岳、ピンクの山稜。
北は北岳。今日目指す山頂が雪煙の向こうに高い。

西は 仙丈ヶ岳。

この方向から見たことがなかったので すぐに分からなかったけども。
ひと通り写真を撮り終えたら、部屋に戻って支度を整える。
整ったらザックを背負って入口の扉を閉めた。
ありがとう、北岳山荘。

朝7時、北岳登頂目指してさあ出発!
-------------------------------------------------------------------
ブォー ブォー

強風の中に身をさらして 一歩一歩進む。
カチカチの岩稜も越えていく。

目指す山頂はさっきからずっと見えているけど、
この先、あそこまで どこをどう登って行くのか不安になっていた。

吊り尾根分岐まで来てザックデポ。
さぁ、カラ身でこの斜面に突入(せねば)。

途中、西側の土留め?の丸太がむき出しになった急斜面がいやらしかったが、

そのまま直登して回り込むと!

2月の北岳登頂、万歳三唱!
山頂から ここまで登ってきた雪稜を見下ろす。

正面奥には間ノ岳(3,190m)、その左に農鳥岳(3,026 m)。
右の奥は塩見岳(3,047 m)か。
朝歩き出した山荘は 眼下の中央稜線左に小さく。
振り帰ると、北側は左に仙丈ヶ岳(3,033 m)、右に甲斐駒ヶ岳(2,967 m)。

東は富士山。(標高3,776 m)

日本No.1の山の 次に高い場所に今立っていることがしみじみ嬉しく。
しかし、帰りのルートは眼下の雪尾根、
特に右下の雪岩斜面(八本歯の頭)を登って戻ることがしみじみ憂鬱な気分だった。
--------------------------------------------------------------------------
無事 八本歯の頭を登り返して、ボーコン沢の頭手前まで戻ってこれた。

振り返って眺める北岳。
雪稜に残ったトレースから逆に、さっき立っていた場所まで目でたどった。
あそこまで行ってきた。
そしてここに戻ってきた。
ゴーグルを外したら、冷たい風が気持ち良かった。
そこからの下山は、一昨日の自分のトレースを。
池山御池小屋を通過したところで、年配の男性登山者に会った。
今日は小屋に泊まって、明日樹林を抜けた先でテント泊しそのまま下山だという。
そこまでの雪の様子を伝えた。
自分でも多弁になっているなぁと思った。

15時ちょうど、林道に着地。
車まであと12kmは長いけど、上高地から横尾までと思って歩けば気持ち的にメドが立つ。
・・・が、やっぱり長かった。(汗)
近道は無し、一歩一歩 車まで歩いて行くとしますか。
- 完 -
【1日目】
奈良田ゲートから歩き出し。
千葉のkさん、情報ありがとうございました (^^)/

約12km、アスファルト林道を3時間、登山口の あるき沢に到着。

そこから更に4時間登った15時30分、池山御池小屋着。(標高2,200m)
通年無人開放のこの小屋、今夜は貸し切り。
薄暗い部屋で 一人鍋 を食べて早めに就寝 Zzz。
【2日目】
10時間寝た朝4時に起床。小屋内の気温は-6℃だった。

6時、ワカン&アイゼンで出発し、樹林帯で迎えたモルゲン。
小屋からルートを間違えてしまったので、深雪の急斜面を四つん這いで。(*_*)

ここからは膝までのラッセル3時間、尾根を登って登って標高を上げ、
ついにボーコン沢の頭 (標高2,823m) まで来ると・・・

眼前に北岳 大迫力!
一息入れた後、あのてっぺんに立つため
約20kgのザックを再び背負い雪稜に踏み出す~
=3

・・・降りてきた八本歯の頭を振り返る。
帰りはココを越えにゃならんのがイヤだなぁ。
正午過ぎ、予報通り天気が崩れ、
風と雪とガスが強まる中、稜線のシルエットを頼りに歩を進め・・・

14時、今日の宿 北岳山荘(冬期無人開放)が見えた時にはほっとした。
広い部屋の板間に座り、温かいお湯を飲んで落ち着かせる。 ふぅ~。
誰かが来てもいいようにと 荷物を寄せておいたが結局誰も入ってこなかった。
ラジオから聞こえてくる人の声が嬉しい。明日は晴れ予報と言っている。
その後も3,000mの稜線上の山荘を打つ風雪はおさまらない。
-10℃の部屋の中、メシを食べた後 焼酎を飲んだが酔わなかった。
ゴーゴー止まぬ音がコワかったので、耳栓をして身を隠すようにシュラフに潜った。
しかし、1時間おきに目が覚めてしまい その都度体の向きを変えて寝た。
寒く長い夜だった。
Zzz
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【3日目】
朝5時に起床し、熱々のカフェオレで体内から温めていると・・・

部屋の東窓、雲海の向こうから太陽が昇りはじめた。
希望のヒカリに全身の血液の流れが強くなっていく気がした。
慌てて外に飛び出して

南は間ノ岳、ピンクの山稜。
北は北岳。今日目指す山頂が雪煙の向こうに高い。

西は 仙丈ヶ岳。

この方向から見たことがなかったので すぐに分からなかったけども。
ひと通り写真を撮り終えたら、部屋に戻って支度を整える。
整ったらザックを背負って入口の扉を閉めた。
ありがとう、北岳山荘。

朝7時、北岳登頂目指してさあ出発!
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ブォー ブォー

強風の中に身をさらして 一歩一歩進む。
カチカチの岩稜も越えていく。

目指す山頂はさっきからずっと見えているけど、
この先、あそこまで どこをどう登って行くのか不安になっていた。
吊り尾根分岐まで来てザックデポ。
さぁ、カラ身でこの斜面に突入(せねば)。

途中、西側の土留め?の丸太がむき出しになった急斜面がいやらしかったが、
そのまま直登して回り込むと!

2月の北岳登頂、万歳三唱!
山頂から ここまで登ってきた雪稜を見下ろす。

正面奥には間ノ岳(3,190m)、その左に農鳥岳(3,026 m)。
右の奥は塩見岳(3,047 m)か。
朝歩き出した山荘は 眼下の中央稜線左に小さく。
振り帰ると、北側は左に仙丈ヶ岳(3,033 m)、右に甲斐駒ヶ岳(2,967 m)。

東は富士山。(標高3,776 m)

日本No.1の山の 次に高い場所に今立っていることがしみじみ嬉しく。
しかし、帰りのルートは眼下の雪尾根、
特に右下の雪岩斜面(八本歯の頭)を登って戻ることがしみじみ憂鬱な気分だった。
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無事 八本歯の頭を登り返して、ボーコン沢の頭手前まで戻ってこれた。

振り返って眺める北岳。
雪稜に残ったトレースから逆に、さっき立っていた場所まで目でたどった。
あそこまで行ってきた。
そしてここに戻ってきた。
ゴーグルを外したら、冷たい風が気持ち良かった。
そこからの下山は、一昨日の自分のトレースを。
池山御池小屋を通過したところで、年配の男性登山者に会った。
今日は小屋に泊まって、明日樹林を抜けた先でテント泊しそのまま下山だという。
そこまでの雪の様子を伝えた。
自分でも多弁になっているなぁと思った。
15時ちょうど、林道に着地。
車まであと12kmは長いけど、上高地から横尾までと思って歩けば気持ち的にメドが立つ。
・・・が、やっぱり長かった。(汗)
近道は無し、一歩一歩 車まで歩いて行くとしますか。
- 完 -
この記事へのコメント
本当に3日かかってますね。
いきなりの12キロもきついと思います。車で入れればいいんでしょうけどね。
しかし、命懸けですね。
街の生活とは別世界です。朝の山々は綺麗で自分の目でみたら感動するでしょうね。
何しろ無事の制覇、おめでとうございました。
中央アルプスでも遭難事故が発生しています。これからも安全第一で!
いきなりの12キロもきついと思います。車で入れればいいんでしょうけどね。
しかし、命懸けですね。
街の生活とは別世界です。朝の山々は綺麗で自分の目でみたら感動するでしょうね。
何しろ無事の制覇、おめでとうございました。
中央アルプスでも遭難事故が発生しています。これからも安全第一で!
本当に美しい世界ですね
そして厳しい!!
くれぐれも安全第一で!!
おつかれやまでした
で、おいしかった?鍋(笑)
そして厳しい!!
くれぐれも安全第一で!!
おつかれやまでした
で、おいしかった?鍋(笑)
でっかいのを落としましたね!
おめでとー(^o^)b
中央道走ってて見える目立つ山で、
残ってるのは塩見、甲斐駒、間ノに農鳥と、、、
目立たないけど登っておきたい大沢に兎
こう数え上げるとまだまだありますに~
南アルプス、登り堪えあります
でも厳冬期は難しい(>_<)
同日h爺は9kmだったので上高地~徳澤でした(笑)
冬靴でアスファルトを延々と歩くのコリゴリです
おめでとー(^o^)b
中央道走ってて見える目立つ山で、
残ってるのは塩見、甲斐駒、間ノに農鳥と、、、
目立たないけど登っておきたい大沢に兎
こう数え上げるとまだまだありますに~
南アルプス、登り堪えあります
でも厳冬期は難しい(>_<)
同日h爺は9kmだったので上高地~徳澤でした(笑)
冬靴でアスファルトを延々と歩くのコリゴリです
「甚だ僭越ではございますが、(ソファの上より)務めさせていただきます。万歳の発声に続きまして、声高らかにご唱和ください。」
「それでは、山・沢・色〜の益々のご発展と、ご参集いただきました皆様のご多幸を祈念し、バンザ~イ!、バンザ~イ、バンザ~イ!登頂おめでとうございます!」(笑)
「それでは、山・沢・色〜の益々のご発展と、ご参集いただきました皆様のご多幸を祈念し、バンザ~イ!、バンザ~イ、バンザ~イ!登頂おめでとうございます!」(笑)
◆Fさん、こんばんは。
途中ヒヤリとした場面もありましたが、
何より無事に下山できて良かったです。ありがとうございます。
もっと朝早く歩き出して、1日目に森林限界手前まで登って幕営できれば
2日で行けたのかもしれませんが、体力不足、自分に厳しくできずこれが精一杯でした。
今年の冬山も遭難事故が発生しています。
これからも、安全第一で山歩きを楽しみますよ!
途中ヒヤリとした場面もありましたが、
何より無事に下山できて良かったです。ありがとうございます。
もっと朝早く歩き出して、1日目に森林限界手前まで登って幕営できれば
2日で行けたのかもしれませんが、体力不足、自分に厳しくできずこれが精一杯でした。
今年の冬山も遭難事故が発生しています。
これからも、安全第一で山歩きを楽しみますよ!
◆yさん、こんばんは。
鍋、チョー美味しかったですよ!
フリーズドライ一人鍋、おススメです。
ひっそりと鍋の記事に追記してあるので
ひっそりと見てみてくださいね!(笑)
鍋、チョー美味しかったですよ!
フリーズドライ一人鍋、おススメです。
ひっそりと鍋の記事に追記してあるので
ひっそりと見てみてくださいね!(笑)
◆hさん、こんばんは。
やったりました!ありがとうございます!
夏も登ったことのなかった北岳、なんとか登頂&無事下山できました。
しかしこの時期、キタダケソウを見られなかったことが残念です。(笑)
南アルプス、まだまだデカイ山がゴロゴロありますね。
じわじわ攻略していきたいもんです。
足裏のマメ、大丈夫ですか~
私んのは、知らぬ間に消滅してました。(´・ω・)
やったりました!ありがとうございます!
夏も登ったことのなかった北岳、なんとか登頂&無事下山できました。
しかしこの時期、キタダケソウを見られなかったことが残念です。(笑)
南アルプス、まだまだデカイ山がゴロゴロありますね。
じわじわ攻略していきたいもんです。
足裏のマメ、大丈夫ですか~
私んのは、知らぬ間に消滅してました。(´・ω・)
◆mjさん、こんばんは。
バンザ~イ!、バンザ~イ、バンザ~イ!
ありがとうございます!
夏のアレ!では、山頂で一緒にやりますに。
テンバで練習してもいいですよ。(笑)
バンザ~イ!、バンザ~イ、バンザ~イ!
ありがとうございます!
夏のアレ!では、山頂で一緒にやりますに。
テンバで練習してもいいですよ。(笑)
こんにちは。
今年も着々と登ってますね!
-10℃の部屋・・・・・。。。
寝るな~!寝たら死ぬぞ~!!って聞こえてきそう(汗
朝日に照らされた山の姿が美しいですね。
日の出なんてほんのわずかな時間ですがその時間を過ごせるだけでも「頑張って登って良かった」とそう思えるのでしょうね(^^)
今年も着々と登ってますね!
-10℃の部屋・・・・・。。。
寝るな~!寝たら死ぬぞ~!!って聞こえてきそう(汗
朝日に照らされた山の姿が美しいですね。
日の出なんてほんのわずかな時間ですがその時間を過ごせるだけでも「頑張って登って良かった」とそう思えるのでしょうね(^^)
◆シャムきちさん、こんばんは。
風がしのげて救われましたが寒かったです~
背中~腰に4個カイロ貼ったのですがね。
シュラフをダブルで持っていけばよかったなぁ (^^;
山は日の出のその一瞬の時間が特に美しいですよね。
その時間、その場所にいないと見られない景色、
ホント、頑張って良かった!って思える光景が目の前に広がります。
晴れていればですがね。(笑)
風がしのげて救われましたが寒かったです~
背中~腰に4個カイロ貼ったのですがね。
シュラフをダブルで持っていけばよかったなぁ (^^;
山は日の出のその一瞬の時間が特に美しいですよね。
その時間、その場所にいないと見られない景色、
ホント、頑張って良かった!って思える光景が目の前に広がります。
晴れていればですがね。(笑)