情熱☆ 烈風☽ せれなーで

mukuri

2020年03月02日 14:38




2月の中央アルプス。朝6時30分。

暖冬と言われているものの、冬のアルプスにはしっかり雪があって、
稜線の風はしっかり冷たかった。

今回は一泊二日、テントを背負って桂小場から目指した木曽駒ヶ岳には届かず敗退なり~


長文失礼します
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スタートは、伊那市小黒川キャンプ場先から。





1日目、樹林帯にもかかわらず爆風、地吹雪の中を登る。
久々の山歩きでヘトヘト、信大ルート分岐まで来ていよいよ風を避けられる南側斜面に逃げる。

ザックを下ろしたらスコップで整地、拠点設営、水づくり。
着替えて荷物を整えたら行動終了、やっとこ座れる時間になった♪






日が落ちてポツンとテント内は-9℃。





寒かったけど、雪山でのテント泊なので寒いわな~


ZZZ。。。


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翌朝2時30分起床。
昨日夕方貼った2枚のカイロが、背中からまだ温かい。

バーナーで雪を溶かし、アツアツのお湯でコーヒーを拵える。

みるみる湯気で満ちたテント内での作業、それを保温ボトルに注いでキャップを閉め、
袖をちらっとめくると腕時計はちょうど3時30分。

いざ木曽駒ヶ岳目指して出発進行~





雪は深いところはヒザ~フトモモまで。
それでもうっすら残る前日?のトレースに感謝し標高をあげていきます。

=3





もふもふの中、岳樺帯を抜けて仰ぐと星空が綺麗だった。
急に冷たく強く吹き付ける風に変わったことで、やっと稜線に出たんだと分かった。

星空を撮ろうと厚手のグローブにもたもたしながらデジカメをセットし、
風に飛ばされまいと両手で掴んで三脚を固定しシャッターを切ったけれど、
だんだん明るくなってきてしまい写真はイマイチ。(寒さと強風のせい)






三脚をしまってアイゼンで稜線を進んでいくと・・





南アルプス方面から日が昇ってきた。
太陽の光が眩しくて温かい。






今、将棋頭山(しょうぎがしらやま/標高2,730 m)の山頂にいる。


2月、冬の中央アルプス、朝6時30分。烈風。



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さぁ目指すは木曽駒ヶ岳山頂だ!!

とピッケルを握り直し稜線を進んでいくも・・




身体を容赦なく打ち続ける風に情熱がどんどん奪われていって、
この先 風を避けられそうな場所が見えなくて、

煽られてよろっとしたらしたらコワいなぁって思いが押し寄せてきて、
さっきの先行者も引き返してきて、

これだけ理由が揃ったので撤退を決意。






テントまで戻って下山するかな~






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2月、冬の中央アルプス。朝9時。





岳樺帯の南斜面まで来て腰を下ろす。
振り返ると蒼い空に白い峰と樹氷がナイスマッチ。

そして、さっきまでの地鳴りのようだった轟音は いつのまにやら穏やかな唄に。


ヘルメットを外してバラクラバを脱いだら、頭が顔がすーっと気持ちよかった。



ザックから保温ボトルを取り出してコーヒーを飲もう。

出発時にはアツアツだったそれは、ちょうど飲みやすい温かさになっていた。





-完-






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